旅空に捧ぐ詩
昇り沈む太陽 やがて明ける夜も見送り歩く 空の嘆きも大地の嘆きも すべてをこの身に受けながら 天高く届くように 声を張り歌う故郷の調べ 道行く人に聞こえなくとも 同胞のもとに届くように 見知らぬ土地に手を振りまた次の地へ 終わりなき旅 帰る場所はもうないから 森を抜けて 山を越えて 谷を渡り まだ遠くへ 空をかける鳥のように 風のように自由気ままに 無邪気な笑い声と見守る眼差し 穏やかな午後 懐かしさに軋む鼓動は 時の向こうにおいてきた 失ったモノの数 数えても戻ることなどないと 知っているから 思い知ったから ただ胸に抱き続けてる 今では遥か記憶の向こうの痛み 振りかえらずに進むと決めたあの瞬間 歩き続け歌い続け どれほど時が過ぎただろう 歩き続け歌い続け どれほど時を過ごすだろう 今でもなお目を閉じれば 愛おしい風景この胸を焦がす 捨てきれないこの未練を 弔いにかえて歌え 人が忘れ 時が忘れ 誰の耳に届かずとも 永久に歌い歩くことが 僕がここに在る理由だから