Fairy-tale Collection

銀のきらめきと青い鳥

vocal:歌愛ユキ

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ver.MEIKO

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物心がついた時に、既に両親はおらず、
少年は小さな妹と、二人きりだった。
生きる術なんて盗むくらい。
相棒は奪った錆びついた剣だけ。

牙をむき、刃を振るい、奪い、儚い命をつなぐ。
希望の光などありはしない《人生》の中で。
それでも、彼はただ生きる。
今日をやり過ごすために。


時が流れ、兄妹たちは成長したけれど、
生きる術は、それまでとは何も変わらない。
ある日、帰り道、漂う血の香。
かけつけた路地には、ひとり地に伏す娘。

紅に染まる掌、熱が失われてゆく身体。
彼の大切な《最愛の妹》が壊れた瞬間。
それでも、彼はまだ生きた。
終わる術を知らぬから。

一人きり残され、どう生きろというのか すべて呪いつくせど、何もわかりはしない 無情な旅路で、道標さえも失くし 彼の青い鳥はもういない
全てを失った彼が立つ、その地の名前は《人生》。 奪い奪われるそこで、ただ剣を振り続ける。 紅に染まる夕暮れ、抜きはらわれた銀のきらめき。 終に見たその光を、彼は美しいと思った。